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最高裁判所第一小法廷 昭和31年(オ)806号 判決 1957年12月26日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人弁護士葛西千代治の上告理由について。

原判決の維持した第一審判決説示のごとく、特別都市計画法に基づく土地区画整理は、終局的には本換地処分をもつて完了するものであるから、土地区画整理における換地予定地の指定は、本換地処分の前提をなす一つの経過的、段階的処分ということができるけれども、しかし、その予定地の指定は、他方において独立した一つの行政処分であつて、それ自体固有の法律効果を有するものであるから、これが取消を求める訴訟の出訴期間についても行政事件訴訟特例法五条所定の制約を受けるものと解するのが相当であつて、所論引用の松山地方裁判所判決(行政事件裁判例集第二巻二号三一一頁以下参照)のいうように、本換地処分のなされるまでは何時でもその指定の効力を争い得るものと解すべきではない。されば、原判決は正当であつて、所論の違法は存しない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 斉藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 下飯坂潤夫)

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